その後も洗濯ババァとハウスの外人達の戦いは毎日毎日続いた。 まだ暗いうちから響きわたるカランカランという音。そしてガラガラ〜と窓の開く音。「ウルサイヨ〜」の声・・・・。 私の部屋は洗濯ババァ側ではなかったが、それでもすごい音だった。ジャンの部屋は隣のアパートのすぐ横だったので、あの音は本当に耐えられなかっただろうな、と今振り返っても気の毒になる。 ある日の事、私の友人のまゆみちゃんが遊びにやってきた。夏の暑い夜だった。私達は夕食を済ませ、暑さに耐えられずにシャワーを浴びた。それでもまだ暑くて汗が吹き出してくる。ジャンやその他の外人達も暑くて暑くて玄関先に次々と出てきて涼んでいる。 ハウスの前は細い路地になっていたため車は入ってこれないから外人達はよくその路地にござを引いたり、ビーチチェアなどを持ち出してごろごろしていた。ジャンなんて、いつだって超ビキニ姿で登場するから女の私でさえ目のやり場に困ったよ〜。わざわざすご〜いビキニで(ものすごくキワドイやつ)宅配のお兄ちゃんとか郵便配達のおじさま達にモンロー風(死語?)もとい、マドンナ風に「はぁ〜〜〜い」なんて甘い声でクネクネしてみせて楽しんでいる。そんな事をするから、ますますこのハウスが怪しまれてしまうのだよ〜。 その日もそんな怪しい外人達と一緒にハウス前でしばし涼んでいたのだが、まゆみちゃんが「おみやげに持ってきた花火をやろう」と言い出した。外人達も一緒になってやろうやろう、という事になり私達はその少ない花火を皆で分けて火をつけた。 派手好きな外人達が、両手に2〜3本持って一斉に火をつけるから花火はパチパチとすごい音をたてて燃え上がり、その煙がモクモクと路地一面に充満した。それでも、真っ暗な路地に咲いた花火はとても綺麗だった。 その時だった。 洗濯ババァが部屋の中で何か叫んでいるのが聞こえる。 なんだ、なんだ??? ばたばたと足音が聞こえる。部屋の中で走り回っているらしい。そしてその足音やら叫び声がだんだんと近づいてきてついに玄関の戸がバタンと開いた。洗濯ババァ登場! それも裸足で・・・・。 「か、か、火事だぁ〜〜〜〜!」 裸足で立ちすくむ洗濯ババァ、そしてその前にまだ火の残る花火を手にしたハウスの外人達。口がポカンと開いてしまった私。 一瞬時間が止まった。 あの時の皆の表情は、今でもはっきりと覚えている。あ〜いうのを、目が点になる、って言うんだな。 ジャンは、例の紙袋大作戦を実行しなくとも、こんな素晴らしい結末を迎える事ができたヨと喜んでいた。よほど嬉しかったようで、まゆみちゃんの手をとり、「GOOD JOB! GOOD JOB!」って何度も何度繰り返していた。 今回は外人の勝ち〜〜〜!かな。 (つづく....) |