| 先月末からの4日の予定の里帰り中に体の具合を悪くして、もう10日 近くもここ宮崎の故郷の空の下にいる。びっしりつまったはずのスケジ ュールも、約束も、仕事や子供達の学校も、全部が自動的にキャンセル となって、調子の悪い自分と、たくさんの時間だけがここにある。 秋のはじめに、あるアンケートで「この秋に何がしたいですか?」と聞 かれた。私は「ふかふかの枕に顔をうずめてゆっくりといつまでも眠り たい」と答えた。その夢だけはあっと言う間に叶ってしまった。 たくさんの仲間や友人達からお見舞いのメールが届く。 「神様のプレゼントだと思ってゆっくりすれば」とみんなが言う。 そうなのかな。神様が休んでいいよ、って言ってくれてるのかな。 思えば離婚してからここまでずっと足を止めずに走り続けてきて疲れが たまったのかもしれないな〜。でも、そうやって自分で自分に言い訳を するのが悪いことのようでできなかった。 何よりも走りつづけていなくては生きていけないようにも思っていた。 少し休んでもいいのかな。 疲れた羽を休めてもいいのかな。 故郷の空は淡い青だ。 光が強すぎて、空の青が薄くなる。 夕焼けも北国のような、真っ赤ではなく、桜の花のような優しいピンク がだんだんと紫を帯びて、そのうちにぽつりぽつりと星が現れる。 日本で一番星のきれいな場所は、ここ、宮崎らしい。鼻が高い。 夕暮れの空は子供のころから大好きだった。いつか自分に好きな人がで きたら、この空を見せたいとずっとずっと思っていた。一番最初にこの 空を見せた子供たちのパパとはさよならしてしまったが、またこの夕空 の下をだれかと一緒に歩ける日がくるといいなと思う。 淡い桃色のような、蜜柑色のようなこの夕焼け空を、流れていく雲や、 風や、時間は、世界中のどこよりもゆっくりで優しい。 そしてこの空はいつだってあの日と同じ優しさで私を迎えてくれるし、 どんな事をも許してくれて、理解してくれて、認めてくれる。 そう感じれるのは、やはりここが私の故郷だからだろう。 故郷に帰ろう あの日の空を探しに帰ろう あの日の自分に逢いに帰ろう |